サポセン活用法 牛山 通男
サポートセンターの若者達と 楽しく付きあおう
◎ ボクは72歳でパソコンを始めた。

会社をやめてサァこれからサンデー毎日だと大あくびしたその直後・・・
ウワァ パソコンやらなきゃ 殺される・・・
とおもったその訳は簡単だ。

床やで散髪してたら オヤジがいった・・
きょう日 赤ん坊の『公園デビュー』が古株ママの意地悪で大変だが新米年金じじいの
碁会所入学もいじめがあってたいへんだそう。

碁会所にも森派や橋本派があって親分に付け届けしないとよってたかっていびられて
気の弱いじいさんは病気になって死んじまう・・・・
だから一番いいのは家で一人でパソコンで画面相手にポツンポツン碁を打つこと。
これなら殺されることはねぇ。

それから危ないのが米。 配達してくれる米やが無くなっちまった。
この先でね 嫁さんに命令されてスーパーから10キロ米を抱いて帰ってぎっくり腰になっ
た旦那がいる。
今はこんなことしなくったってインターネットで注文すればその日のうちに『西友』が配達
してくれる・・・

これはもうパソコンやらなきゃ生きてゆかれんぞと考えた。
そしてこれからさきが聞くも涙の物語だ。

◎独修老人はサルより劣る
パソコンという奴はそばにすぐに教えてくれる人がいれば猿でも出来る。
処がすぐ聞ける人がいないとこれが問題だ。
パソコンは次の操作が分からないと叩いてもさすっても拝んでももう動かない。
こうなったら迷路に入り込んだ蟻ン子みたいなものでうろうろ三日も四日もマウスこすって
ポインターは画面を這い回るしかない。

ガイド本はマニュアルといい、導入,入門、リファレンス。
アプリケーションにインストールとやたら沢山付いているがカタカナばかりの専門語だ。
森さんぢゃないが、 『神の国』や『教育勅語』で育った年寄りにはもう読めたものぢゃない。

『オンラインヘルプ』もあるがこの方がもっと意地悪く難しく書いてある。
あくびするあのイルカに馬鹿にするなと何度怒鳴ったことか。
どうしょうもないから教えてくれる人がくるまで待つかサポートセンターに電話するしかない。

◎サポセンは有料のほうからさきに聞く
機械メーカーのサポセンは北海道から沖縄まで日本中にあり電話代も質問も無料だ。
東京・大阪の電話が一杯の時は親切なもので空いてる名古屋・沖縄・山形などにつないでく
れる。

ところがソフト関連のサポセンは東京と大阪位にしかなく電話代がかかり質問が有料だ。
一件当たり二万円なんて話も聞く。

だから年寄りは大抵こっちを敬遠後回しついつい機械メーカーに頼ってしまう。
メールのやり方なんかならそれでもなんとかしのげるしサポセン担当も親切だから簡単な
ソフト関連の質問にもつい相手になってくれソコソコ解決日が暮れる。
実はこれが大間違い逆だ。

ソフト関連のサポセンも大抵購入後一年間・・・正確には登録届を提出後一年かもしれない
が・・・ 質問無料だ。

ワープロ専用機なら若い頃やった。こんなもの簡単さと思うだろうがパソコンのワードやエク
セルはどうしてどうしてバカみたいに複雑怪奇でチエックを入れるの外すのと操作がメチャメ
チャひねくってありそれだけに馴れてバッチリ利用できればこいつは便利で立派なもの。
先ずこの勉強を さきにしたい。

つまり年寄りはパソコン買ったらその日から孫からメールがきたきたなんて喜んでないでソフ
トの活用ガイドを昼でも夜でも読みまくりソフト関連サポセンにジャンジャン電話納得ゆくまで
聞いたらいい。

◎サポセン に電話して聞く時のコツ・・・
どこのサポセンもそうだけれどサポーターの若者達は電話に出る瞬間どんな人からどんな
質問されるのかが不安らしく誰しも一様に間を置いて声をだす。

だからコツは相手が出た瞬間,・・・簡単なことだと思いますから教えてください・・・
と早口にいい安心させる。確実に優しくなる。
次にこちらが先生,先生を連発する。ムードがてきめんに和やかになる。

◎質問する前に・・
受話器を取り上げるまえに老人だから一寸準備しておくことがある。
まず自分の名前と電話番号。 ときどき思い出せないことがある。

パソコンの機種と型番は必ず聞かれるからメモが大事。
この辺がスラスラでないとバカにされる。
それと聞きたいことを 予習しておくといい。

『なにをしょうとしたらできなくて今どの画面が出ていて困却いたしておりまするのでどうかお助け
願いたい』 と思いきり早口で一気にいう。 
若い人は長い話は嫌いだ。反面弱者には意外と親切。関係ないことを クドクドいうのは禁物だ。

昔よく言ったが 『年寄りは瞬間湯沸し器』で・・
すぐカッと熱くなり喧嘩する、これ絶対にダメ。一文も徳はない。

◎すいてる時間
質問して聞く時刻は朝より午後がいい3時頃が一番すき。
4時半過ぎ5時直前はやめた方がいい。若者は残業が嫌いだ。

ここが大事だが微妙に細かい問題点を見つけて指導してくれるのは東京の男性。
全員共通して敬遠なさるのが ワード関連で『段組み』や『表の挿入』と言い出すと大抵嫌々。

◎パソコンのおかげ地方の若者と話せるしあわせ

親切なのは地方のひとだ。
《・・・ヤンマガタ〈山形〉ですが・・・》
なんてズーズー弁で応対されると嬉しくなって握手したい位。

沖縄の女性達は超親切で声が明るくはずんでる。

画面の向こうに紺碧の海が若者達の元気な気配がビンビン感じられて自宅にこもり冬眠してい
る年寄りにもパソコンのおかげで春がくる想いである。

 

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