涅槃の道場 讃岐初日
お遍路十四日目 六十六番雲辺寺から七十七番 道隆寺まで
昨日17時過ぎ民宿岡田屋さんに到着すぐに連絡して頂き今夜の宿「白地荘」の人がお迎えに来てくれる。新型インフルエンザが流行していると言うニュースは知っていたが人との接触が少ない四国のお遍路さんにはあまり関係ないと思っていた。それが宿の人に聞くと大阪の学校で流行り始め休校が相次ぎ修学旅行が中止になり民宿もキャンセルをくらい、空いてしまったととの事。私にはとても幸運な事でした。宿に着くと五、六人が岡田屋さんからの紹介でこの宿にお世話になっていた。翌日はその人たちを宿の車で岡田屋さんの前まで送ってくれると聞きホッとして風呂とビールと夕食ついでに明日のお昼のおにぎりまで頼んで就寝。8時過ぎ寝てから何処かで声が聞こえる。それも野球の練習場でかける声と硬式野球の金属的な打球音がする。不思議に思いながら寝入ってしまったが、翌朝宿の人に聞くと近くに池田高校の練習場があるのだと言う。「爽やかイレブン」部員11人で四国の山の中から来た代表1974年の事だから知っている人少ないと思う。でもお遍路で今までの伊予(愛媛県)を廻りやっと讃岐(香川県)を廻り始めたのにここは(阿波)徳島県か?と後から考えてしまった。地図を見ると四国三県の接点で境目峠とある。ついでに雲辺寺も敷地的には徳島県にあるらしい。そんな山の中を朝6時過ぎ宿の人に民宿 岡田屋の前まで送ってもらい山道に向って歩き始めている。私も預かってもらった自転車に荷物を積んで出発する。自動車道を一時間以上かけてロープウェイ乗り場に到着。朝一番の便に間に合ってしまった。
駐車場に白い車が見えます。その大分からのお遍路さんと私、そしてガイドさんの三人で上に向います。 上に着くと一気に温度が下がり異形の羅漢さんがお出迎え。
ロープウェイー側は香川県。上がって徳島県。その境目に御大師さまがお迎えに出ていました。県境が在りました。 迎えられて進むとおまけの階段が在り強い風が吹きさらしていました。風が強かった先週はロープウェーが止まったそうです。標高900メートルを越す山の上でそばにスキー場もあります。
六十六番 雲辺寺 早速お参りに向うと、岡田屋さんの前で別れた歩き遍路さんが到着していて一緒にお参りしました。13キロ走ってロープウェーに乗って歩いてきた人と同時の到着でした。 ロープウェーが止まる前に下りようと急ぎます。帰りも大分からの車遍路さんと一緒、グラグラとゆれましたが無事到着。駐車場でお別れしました。次は下に見えるため池のそばの大興寺。
山を下って平地の田んぼの間をノンビリと走っているとこんもりとした森が見えてきてそばを白装束の人たちが集まっています。あそこが六十七番 大興寺。 本日、一番の難所を越してしまったので気分良くお参り。気がついたが本日21日は弘法大師のご命日でお参りする人も多い。私もお遍路を楽しみだして来ました。
次は、「一粒で二度美味しい」六十八番神恵院と六十九番観音寺が一緒にある財田川河口に到着。お参りを二箇所(本堂と大師堂で都合四箇所)した後に一箇所で二つ分の納経印を押してもらえる。 六十八番神恵院の本堂 コンクリート作りは六十一番 香園寺以来。22世紀にはみんなこうなるのかも?
六十九番 観音寺の本堂。こちらは室町時代建造の本堂。時代を感じ、境内にある楠も太い。この後二つ分の納経をしてもらい次のお寺へ向う。 20分で七十番 本山寺 へ到着国宝の本堂で馬頭観音を拝む。
七十番 本山寺 の絵になる本堂と五重の塔。本堂は古いが塔は大正の作。山門は鎌倉中期。この後本当にのんびりした道を走る。歩きの遍路道が車の往来する道とほぼ平行に次のお寺まで続き自転車で走っていて幸せを感じる道でした。 七十一番 弥谷寺前の道の駅「ふれあいパークみの」に到着。丁度お昼になったので、白地荘で作ってもらったおにぎりを食べて一息つく。「なんか今日はしあわせだな〜」。しかし山門の中には階段が・・。
山門の奥の階段を上りソコから又都合500段以上の階段があって今日の幸せが半分になる。大師堂は室内 弥谷寺 本堂は岩屋に張り付いて存在感を増す。
高台から見下ろす。次のお寺はどっちだ? 七十二番 曼荼羅寺に到着ここからは次のお寺が近い。
七十三番 出釈迦寺 山門前にて三河からの車遍路さんと一緒になりお参り。この方、車の中に泊まりながらここまで十日で来られたとか。 どう言う訳かこれからの三日間、アチコチのお寺で良く遭遇しました。 出釈迦寺本堂
七十四番 医王山 甲山寺 山門このほかに新しい山門が在る。 七十五番 善通寺 ここでも三河の車遍路三と遭遇しました。車でも自転車でもそんなにスピードは変わらない。
善通寺の五重塔 四国には五重塔が四箇所しかない。今日その二つをめぐったことになる。 広い敷地内に沢山の堂塔が建ち並んでいて豪華絢爛。さすが弘法大師の生誕場所にあるお寺。
善通寺から25分で七十六番 鶏足山 金倉寺へ到着。 金倉寺本堂 段々夕暮れも近づいてくる広い境内。
お参りを済ませ納経所へ行くと先客がいました。それも只者ではない ナァッ ナンダッこの納経帳は?お遍路二回目からは寺の署名の上に重ね印と言って判を押すだけらしい。ビックリ 何回もお遍路をしている人がここにいました。百回位だろうと本人がとてもアバウトに言っていました。 金倉寺には明治の将軍 乃木希典が善通寺第十一師団長だった時に夫に会いにきた夫人が会ってもらえずその帰り道にたたずんだ松の木が「乃木将軍 妻返しの松」・・・
16時半 本日最後の七十七番 道隆寺 に到着。早速お参りして、納経。今夜の宿をその御坊さんに尋ねると丸亀市内より次のお寺のそばに良い所が在ると聞く。早速電話してソコまでの8キロを頑張って走る。 久しぶりの都会、丸亀を通過。丸亀城も信号待ちに写真を撮っただけで通過。次のお寺 郷照寺のそばの旅館へチェックイン。そこでビックリ。朝のロープゥエーで一緒だった大分からのお遍路さんと同宿になった。途中のお寺では全然会わなかったのだが宿で会う事も有るのだった。